トラウマ(PTSD)ケアを求めている方へ

トラウマ・PTSDの療法・技法

BCT、TFT、HT、PEなどの専門的な技法に加え、ナラティブ(語り)セラピーを統合的に組み合わせながらケアを行います。

BCT(ボディ・コネクト・セラピー)

BCTは従来から効果的であった心理療法のエッセンスに、全く新しい概念を加えて考え出した身体から働きかける心理療法(ソマティックサイコセラピー)です。トラウマは情報とエネルギーとして、脳だけでなく身体にも残されています。身体感覚(フェルトセンス)に注意を向けることで、脳と体をつなぎ、トラウマのエネルギーを体から解放していきます。

BCTは東京未来大学の藤本昌樹教授が開発し、made in japanの心理療法であることから日本人の性質にも適していると言われています。その方法は、問題となっているものを思い浮かべた際に生じる身体感覚に注意を向けながら、眼球運動と並行してご自身で特定のツボをタッピングすることでトラウマのケアを進めていくという流れになります。また、素早く安全にトラウマのケアが進む特徴があるため、負担が少なく効果的にケアを行えると言われています。

TFT(思考場療法)

TFTはThought Field Therapyの略で、日本語では「思考場療法」と言います。認知療法のパイオニアの一人キャラハン博士によって1970年代終わりから研究され、体系化された新しい心理療法です。キャラハン博士は、東洋医学の経絡のツボをたたくことで深刻だった恐怖症を治したところから、研究・発達させました。

TFTは、症状に焦点化しながらも、言葉に頼らない方法で、心理的ストレス、身体症状、どちらかわからない症状にも適用できます。また、エビデンスがある(研究で効果が証明されている)セラピーとしてアメリカの政府機関(NREPP)に登録されています。

HT(ホログラフィートーク)

HTは、嶺輝子先生が考案したトラウマ治療であり、分類としては軽催眠を用いる自我状態療法の一種に位置付けられます。HTは、クライエント自身が感情や身体症状の意味を読み取り、解決し、自らを癒すプロセスを行います。そこではセラピストは問題の軽減・解消を目指すプロセスを援助するガイドやコーチのような役割を担うことになります。したがって、多くの心理療法で用いられる、対話や教示、訓練などを通じて気づきや変容を促すものとは異なるアプローチを図ります。

HTが治療目標として最も重要視している点は、トラウマの処理と健全さの構築です。HTでは4つのステップを通して、クライエントの症状や問題の根源となる過去のトラウマを処理し、境界の構築、健全な愛着の形成や信頼感の解消を行い、それによって回復や健全な発達の基盤を整え、問題解決を図っていきます。

PE(持続エクスポージャー療法)

PEはトラウマに関連した、安全であるが恐怖を抱いている対象、状況、記憶、イメージに繰り返し目を向けるように患者を励ますことによって、病理的で非機能的な不安や、非機能的な認知を軽減できるように作られた一連の技法となっています。
エクスポージャーにより、当事者は自分が恐れているような結果は起こらないこと、したがってそうした恐れは非現実的であることに気付くようになるとされています。PTSD療法の中で、PEはその効果を支持する研究が最も多く、PTSDの外科的療法とも言われています。